この仕事について、早18年がたちました。
今まで多くの患者さんと接してきて、色んな経験をさせていただきました。
この仕事を始めたきっかけは、自分自身がどうしようもない痛みと不安、不調に苦しんで来たからでした。
それを何とかしたくて、様々な治療を受けているうちに、縁あって自分が施術をする側になっていました。
自分の痛みや不調と長年格闘してくる過程で、「症状は、こころや家族との関係、社会、環境に密接に関連しあっている」ということをますます感じるようになりました。
自分の症状を改善するためには、対症的なアプローチではとても太刀打ちできないものでした。
根本的、本質的なところに触れていかないと、変わらないものでした。
そんな思いで自分のこころとからだ、環境や生き方を見つめてきましたので、私は患者さんの症状をみるときにもそういう見方をしています。
ですから、そのときだけちょっとこりがほぐれればいい、気持ちよければいい、という方はほとんど私の所へはお見えになりませんし、そういう仕事は私のモチベーションがあがらないのです。
痛みや辛さ、葛藤、焦りや不安、憤り、罪悪感、本来の自分自身でありたい欲求など、自分の中にあったものと、患者さんの中にあるものが、共感でき、共鳴・共振したとき、真の解放が訪れ、緊張ではなく柔軟に、生き生きと本来の力が発揮させるのだと思います。
最近、そんな共振が患者さんとの間に起こることがより強く感じられます。
そんな時、私は疲れを感じることなく、自分の中にあるエネルギーを感じます。
それは、患者さんに力を頂いているのだと思います。
これからも、自分自身の生き方と、身体とこころを見つめつつ、日々患者さんと接して行きたいと思います。