身体が回復する過程で、一時的に症状が強まることを、俗に「好転反応」と言っています。良くなるとは思いつつも、症状が強くなるのはつらいことですし、不安にもなります。
私が先代の治療をうけて、初めは順調に回復していき、とても楽になりました。
その後、治療がさらに進むと、今まで身体の芯に溜まっていた緊張や、抑え込んでいた感情が出てきました。
腰から脚のつよいしびれで、一か月ほど寝込んだり、生理前のひどい落ち込み、不安と、気を失うほどの生理痛、そしてなにより恐怖だったのが、けいれん硬直と、呼吸ができなくなることでした。
生理の一週間前から症状がではじめ、生理期間は死ぬかいきるか、ぐらいのつらさで、必死に耐えるしかない状態でした。
これも過渡期、よくなるために耐えなくては、と思いつつも、毎月繰り返される激痛、息苦しさ、ひどいうつ状態に耐えきれず、「こんなにつらいのなら、死んでしまいたい」と先代に訴えました。
そんな状態を、先代は懸命に支えてくれ、治療に全力を尽くしてくれました。
何としても、元気にしてあげたい、元気になるんだ!という先代の強い意志に支えられ、私はつらい状態を乗り越えることができました。
日常生活もまともに送れなかった私が、人様のお身体を施術させていただくようになり、たくさんの方の回復過程に携わらせていただきました。
長年苦しんで、悩まれていた方が、短期間でかなり楽になってしまうこともあったり、症状がひどくなって、なかなか抜け出すのに苦戦される方など、十人十色の回復過程があります。
私自身、回復する過程で、様々な痛みを味わいつくしました。その経験のおかげで身体の感覚が研ぎ澄まされ、今、施術に生かすことができていると思います。
しかし、患者さまにはできるだけ苦痛なく回復していただきたい、と願っております。
遠方から時間をかけて、状態の悪い身体でお越しいただいている方、一時的に症状が強くなってしまったり、以前の症状が出てきつい状態でも継続してきてくださっている方、そんな多くの患者様には本当に頭が下がります。
身体は必ず、回復します。
たとえ今、小康状態でなかなか前に進まない感じでも、必ず身体は回復します。
私にできることは、患者様が一日でも早く回復するよう、施術技術を向上させる努力をし続けていくことだと思っております。