70代の方が、何十年も頭が締め付けられる苦しさで悩まれていらっしゃいました。
一日中「頭が締め付けられて苦しい、つらい」とご家族に訴えられていました。
あちこちの病院を渡り歩き、CTやMRIをとっても異常は見つかりません。
あるお医者様には毎回受診する度に「貴女にお出しできる薬はありませんよ」と言われました。
その方の頭蓋骨を触ってみると、ものすごい締め付け方で、多くの方は緊張すると、頭蓋骨が膨らむ場合が多いのですが、その方は逆にぎゅーっと締まって小さくなっていました。
これでは一日中つらいと訴えられるのも当然、という状態でした。
つらい状態をおして、遠方からはるばる新幹線にのって、私の施術を受けに通ってくださいました。
初めの変化が出たのは、目が大きくなったことでした。
眼窩が狭くなり、眼球も圧迫されていたのが緩んできたのでした。
ご家族からも「目がぱっちりしてきたね」と言われ、元々とても美人なお顔立ちが、ますますお綺麗になっていかれました。
ご本人は相変わらず「頭が締め付けられる」と訴えるものの、億劫だった外出もするようになり、ご近所の方から「最近お元気そうですね」と声をかけられるようになっていかれました。
その方が、なぜ何十年もそれほどまでに頭が締め付けられたのか?
その原因の一つは「目」の問題がありました。
もう一つはご姉妹からのストレスでした。
幼い頃から可愛らしく、周りの大人から可愛がられるお人柄が、ご姉妹に嫉妬され、ことあるごとに否定されてきたというのです。
まさに「頭ごなし」「頭を抑え付けられる」状況だったのでした。
子供のころから否定され続け、それに対して何も言い返すことができずに、何十年も我慢されてきました。
外に出せない「感情」を「頭が締め付けられる」と訴えることで、かろうじて外に気持ちを出していたのでした。
その方は根気よく通ってくださり、締め付けられていた頭蓋骨も緩んで、膨らんできたな、と思ってきた時、嬉しい変化がありました。
一つは大学病院で数年前に撮ったCT画像と、現在を比べてみたところ、お医者様が開口一番「頭が大きくなっている!」といって驚かれたということです。
私が「頭が緩んで大きくなってきましたよ」と言っても、ご本人はつらさに意識が向いているため、あまり気にされなかったようですが、長年状態を診てくださっていたお医者様に客観的に診断して頂いたことで、やっとご自身の変化を受け入れてくださったようです。
そして、もう一つの大きな変化は、ご姉妹に対して自分の意見を言えるようになったことでした。今まで口答えなどできなかったのが、「こういってやりたい!」とご家族に確認して背中を押してもらい、自ら言えるようになったのでした。
ご姉妹のストレスについて、ご本人は私には何もおっしゃいませんでした。
ご家族が私に今までの経緯を教えて下さいました。
私は頭蓋骨を緩める施術をしていっただけなのですが、その結果、ご本人が長年抱えていたストレスに対して自らの行動を変えていかれたのでした。
身体が緩んでいくと、身体を緊張させ、ゆがめていた原因に対して、ご本人が自覚する、しないにかかわらず、何か気持ちが変化したり、気づきがあったり、行動が変化していきます。また周りの人の方が、「何だか最近元気そう」「明るくなった」とご本人より変化に気づきやすい場合も多いようです。
色んな方の変化を目の当たりにしてきて、人には自分の問題を自分自身で解決していく力がある、と痛感します。
それが、たとえ身体の痛みや不調を訴えることによって、であっても、その人はその方法によって自分を守ろうとしているのです。
これからも多くの方が、ご自身で幸せな人生を作り上げていく過程に、少しでもお役に立てられたらこの上なく嬉しく思います。