当院では今、施術で私が全く触らない方が何人かいらっしゃいます。
(施術中はもっぱら対話しています)
身体の自己調整力が高まると、お身体が自律的に動いて整体してくれるようになる方がいらっしゃるのですが、その第一号のお客様が、今日久々に起こし下さいました。
またお身体がさらにゆったりとされて、肩幅も2か月前より広がっていらっしゃいました。
早速自由に動いて頂いていると、
「身体はまだまだ進化したいみたいです」
とおっしゃって、また初めての調整をなさっていらっしゃいました。
本当に身体というのは、常にポジティブですね。
このお客様は整体中、いつも名言ばかり出てくるのですが、今日もすごいお言葉が次々と出てきました。
(毎回このお客様の名言を、全部そのまま、文字で残したい!と思うのですが、言葉って、その場ですーっと消えてしまって、とらえられなくなりますね)
最近の心の変化について、色々お話を聞かせて下さいました。
『以前は自分と向き合う、ということは、
「自分の悪いところ、ダメなところを直さなくちゃいけない」
と思っていましたけど、今はどんな自分も認めてあげられるようになりました。』
以前だったら人間関係でひどく傷ついてしまうようなことがあっても、今は全部自分のせいではない、と思えるようになったそうです。
半分は、相手の問題でもあるので、それほど自分が傷つかなくなったそうです。
そう思えるようになったのは、自然に変わっていったのですか?とお聞きすると、自然に変わった部分もあるでしょうし、意識的に変わった部分もあると思います、とおっしゃっていました。
身体を緩めだして、一番根幹の緊張を緩めていた時には、子供のころから抑え込んで、我慢していた感情がどんどん出てきて、辛い時期があったんですね。
(時には、映像付きで出てきたそうです。)
その時には、自分のネガティブなところを、直さなくちゃいけない、と思ってしまわれたようです。
辛いと、それをなくしたい、消したい、直さなくては、と思ってしまいますよね。
「身体が捻じれて歪んでいると、ネガティブになりやすいです。」
とおっしゃって、ご自分の身体で実感しつくし、どんどん解き放たれてきた今だからこそどんな自分もそのまま認めてあげられる、という心境にまで来られたんでしょうね。
そして、
「世の中に、こういう運動や、こういう考え方をすればいい、
というのが沢山あるけれど、
それに全くこだわらなくなりました。」
子供の頃のトラウマと、正面から向き合ってきたお客様。
心理カウンセラーの本も沢山読んできたそうです。
ずっとこのお客様の変化を見させていただいてきましたが、最初は消え入りそうな程、繊細な感じだったのが、しなやかで、やわらかくて、でも芯がしっかり強くあって、今では達観している程の領域までこられたことに、本当に感服します。
このお客様の貴重な体験を、今、悩みの最中にいらっしゃる方に知って頂きたいと、私は心から思います。
そうお伝えすると、以前はカウンセラーになって、人の役に立ちたいと思っていたそうですが、そのこだわりもなくなったそうです。
「トラウマを乗り越えるのは、本当に大変なことですよね。
でも、今悩んでいる方に言いたいのは、
「大丈夫ですよ!」ということです」
「今は人の役に立てたら嬉しいけど、立てなくても別にいい。
それで自分の価値がなくなるわけではない。
それはその人の問題でもあるからです」
身体をとことん緩めて解放されていくと、ここまでの心の域に達するのですね。
大きなものに包まれていて、そこにはなにがあってもOK!
どんなものでも包み込んでしまう。
身体から心を整えることの、深遠さを改めて見せて頂きました。